薬を飲む女性

日本では避妊は依然としてコンドームが主流です。これに対してヨーロッパやアメリカでは、低容量ピルの服用が主流になっており最近では日本でも注目が集まるようになっています。それと言うのも低容量ピルは避妊薬としての効果だけなく、それ以外にも女性特有の様々な悩みや症状の改善につながる作用を持つことが明らかになってきたのが理由です。またコンドームの使用は男性主導の避妊ですが、低容量ピルの服用は避妊の主導権を女性に委ねるものであることも、注目を集める理由になっているのです。それでは低容量ピルの服用によりもたらされる効果について検討してみましょう。

まず最初に指摘するべき効果は、ホルモンバランスの安定にあります。女性は28日程度の生理周期を持っており、前半と後半とでは女性ホルモンのホルモンバランスに変化が見られるのです。女性ホルモンは大きくわけるとエストロゲン(欄胞ホルモン)とプロゲストロン(黄体バランス)からなります。この二種類のホルモンバランスは生理周期に合わせて、変化を見せるので女性の体内で変化が見られます。生理周期前半では卵子の排卵に向けてエストロゲンの分泌量が増加します。卵子の成熟を促し、最終的には生理周期の14日目には排卵日を迎えることでピークに達します。排卵日を境にして生理周期の後半に入ることになる訳です。後半では妊娠に備えて黄体機能の維持のためにプロゲストロンの分泌量が急増することに。この時期は黄体期と呼ばれる時期で、妊娠に備えて胎盤の元になる子宮内膜の厚みが増してゆきます。そして妊娠を迎えないと厚みを増した子宮内膜は不要になるので子宮が収縮し、体外に排出されることになります。子宮内膜がはがれるときに、出血が生じ月経を迎えるわけです。そして次の妊娠に備えてエストロゲンが増加する、こういった一連のサイクルが生理周期になります。

しかしこれはあくまで安定した理想の状態を指したもので、実際には円滑に進まないことがあります。女性ホルモンのホルモンバランスに変調を来たす状態です。このような状況に対しても、低容量ピルを服用することで、生理周期のコントロールが可能になります。女性の排卵から月経にいたる家庭で有意な女性ホルモンが変動するのは、排卵や妊娠に備えてのものです。本来は時宜に応じてホルモンバランスは円滑に変化するべきですが、何らかの理由で視床下部からのコントロールに不調を生じることがあるのです。特に問題になるのは、生理不順やPMSなどに悩まされる点です。

生理不順は何らの理由でホルモンバランスが安定せず、生理周期が不規則になったり月経の出血量が増加するというものです。生理不順は身体的症状がメインですが、精神的症状が強くでるPMSもしばしば深刻な事態を引き起こします。PMSは日本語では月経前症候群と訳されるもので、月経開始の3日から7日前の時期に、精神的不調をきたすのが特徴です。閉経前の女性であれば月経前に何らかの不快
な症状が出現すると言われており、その比率は70-85%とも言われています。PMSはとりわけ精神的に不安定な状態で、症状には個人差があり著しい気分の変調によって日常生活に支障をきたす場合もあるとされているのです。
低用量ピルを服用することで、エストロゲンもプロゲストロンも安定的に供給される岡が出ホルモンバランスをコントロールすることが可能になり、生理不順やPMSなどへの高い有効性を期待できます。低用量ピルと聞くと避妊薬の側面に焦点が置かれがちですが、月経不順やPMSなどの女性特有の悩みに高い有効性を発揮します。閉経前のQOLを改善する実力を有しているのです。

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