ピルで吐き気が起こる理由とは?

ピルを服用したときに起きる副作用のなかで、吐き気や嘔吐するというのは開発当初から良く見られた症状です。副作用は配合される女性ホルモンの内容量に依存している側面が多く、中容量タイプでは頻繁に見受けられたとされているほどです。しかし主に黄体ホルモンの改良などにより、低容量ピルが普及したことで副作用の出現するリスクはかなり改善されるようになりました。とはいっても吐き気や頭痛などの副作用に遭遇する方は現在でもいらっしゃるのは確かです。そこでピルを服用することで吐き気や頭痛などの副作用が発生するメカニズムについて検討してみましょう。

低容量ピルなどはエストロゲン(卵胞ホルモン)と、プロゲストロン(黄体ホルモン)の二種類からなる女性ホルモンを人為的に補う作用を持っています。通常の時期では月経周期28日の前半の14日間は排卵のために卵子を成熟させるための準備期間です。排卵日を境にしてエストロゲンに代わりプロゲストロンの分泌量が増加します。プロゲストロンは妊娠できるように、子宮内膜を増殖させて厚みを持たせる役割があります。妊娠しなければ不要になった子宮内膜は剥がれ落ちて出血し月経となります。妊娠した状況では母体の健康状態の維持と胎児の成長を円滑に進めるために、女性ホルモン全般の分泌量が増加しています。つまちピルを服用しているのは、妊娠状態に類似したコンディションになっていることを意味しているのです。妊娠状態になると、初期に出現するのが各種のつわり症状になります。つわりは妊娠状態になることで、ホルモンバランスが急変し身体が対応しきれないことで発症する様々な症状のことです。つわりは妊娠初期の6週目ごろに現れますが、主な症状に吐き気や嘔吐・食欲低下や頭痛などがあります。つわりは妊娠16週目ごろまでにはほとんど軽快しますが、個人差が大きく、酷い場合には脱水や栄養不足の状態になり、妊娠悪阻と呼ばれる状態になることも。

もっともピルを服用することで妊娠状態になって、吐き気や嘔吐などのつわりに類似した症状は、それほど長期間に渡ってのこるわけではありません。服用開始後数日程度の日数で、ほとんどの症状は消失します。妊娠のつわりと期間が相当異なるには、いくつかの理由が想定されます。現在では低容量やそれ以下の超低容量ピルなどの実用化が進んだことで、摂取される女性ホルモンの配合量をかなり軽減できることになったことが挙げられます。ピルの副作用は女性ホルモンの投与量に依存するので、吐き気や嘔吐などのつわり症状も、数日ほど経過することで十分消失を期待できると言うわけです。またピルの服用で女性ホルモンを人為的に補給するとはいっても、身体には順応能力があるので、ホルモンバランスの変化にもコンディションを合わせる能力が備わっていることにより短期間で副作用のつわり症状が消失すると考えられるのも理由の一つに加えることが出来るでしょう。